西粟倉村は2008年に「百年の森林構想(以下、百森)」を掲げ、2058年を目標年として「百年の森林」の実現に向けて村ぐるみで挑戦を続けていくことを宣言しました。それから約10年が経過し、百森は村づくりの幹となり、再生可能エネルギーなどの様々な枝葉がそこから成長しつつあります。
百森2.0は、百森という幹から意図的に多様な枝葉を成長させ、持続可能な西粟倉村を実現していこうという挑戦です。
人工林、天然林、田畑、川などの多様な自然資本を相互に連関させながら価値を生み出していくことに挑戦します。これを成功させるためには、世代を超え、そして地域を超えて、百森2.0に関わる仲間が必要です。
多様な自然と多様な人々との相互関係の中から、それらの可能性を引き出し多様な価値を生み出し分かち合っていく。そんな村づくりを目指していきます。
森づくりから、村づくりへ。百森2.0が始まります。
2008年に着想し、翌年より開始した「百年の森林事業」。民有林を村が主体になってまとめ、スギ・ヒノキ林の整備を進めてきました。 約10年が経過した今、ある課題に直面しています。それは、地形などの理由により作業用の道が作れず、整備が行き届かない山林が数多くあることです。 このままでは、土壌が痩せ、集中豪雨による災害が発生するなど、危険性が高まってしまいます。 そこで、山頂部や河川沿を自然林化し、災害に強い山林を作ろうとしています。また、環境の改善によって生態系を回復させ、豊かな山林と河川に囲まれた村を目指します。
これは、森林の再構築(森林Re Design)によって、森林が生み出す価値の最大化を目指すということです。 林業のみにとどまらず、山菜や木の実、自然薯の栽培など、もっともっと多様な視点で山林資源の活用を行います。
この構想の実現には、同じ目標に向かって協力してくれる仲間が必要です。 森林Re Designを進めると共に、仲間として手を挙げてくれる人たちと協力関係を結ぶことができる仕組みづくりにも取り組みます。 ここで生まれる関係を大切にし、継続してゆくことは、再生可能エネルギー、ローカルベンチャー、地域の教育・福祉などの発展につながり、それらが支えとなって持続可能な村が創造されます。
節目となる50年後の2058年には、持続可能な森林環境“百年の森林”を実現。
そして、「百年の森林に囲まれた上質な田舎」にしていくことを目指します。
ビジョンの明確な設定と地域内外への発信。林業の六次化など、百年の森林構想を具現化する動きの起こり。
百年の森林構想への共感の高まりと共に、移住や起業が活性化。再生可能エネルギーへの取り組みなど、環境資本への行動も。
多様な事業が地域内に実現。次々に事業と事業者が増加する構造に。それに伴い、あらゆる世代の人口が増える。
百年の森林構想を実現し、持続可能な地域創出。福祉、教育、コミュニティ等の社会資本が充実し、次の100年に向かって歩みを進める。
これは同時に、SDGsにおける持続可能な開発の達成にもつながる。
持続可能な開発目標(SDGs)とは、ミレニアム開発目標(MDGs)の成果をさらに一歩進め、2015年9月の国連サミットで採択された2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。 17のゴールと169のターゲットから構成。地球上の誰一人取り残さないことを目指し、発展途上国と先進国が一体となって達成する目標で構成されていることが特徴です。 あらゆる形態の貧困に終止符を打つことをはじめとして、気候変動やエネルギー問題、持続できる消費と生産、平和で包括的な社会など、持続可能な世界に向けて取り組むべき課題と目標が盛り込まれています。
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