山の神と大欅

~あわくら歴史街道~ H12.10
今も残る自然信仰
山の神と大欅の写真  塩谷の赤代昌由さん宅の川向こう、林道森ヶ谷線の道沿いに「山の神」の祠があります。背後に欅の大木を背負って、東向きに建っています。
 この祠は、今から約240年前の宝暦11年(1761年)にはすでに祀られていたようで、少し後の天保15年の文書には、竪2尺4寸(約70cm)、横1尺6寸(50cm)の祠が、現在と同じく東向きに祀られていたという記事があります。境内の広さ21間(約42m)四方と言いますから、山の神のお祭りや奉納相撲などがこの広い境内で行われていたのでしょう。
 昔、山の仕事に従事する人たちは必ず山の神を祀ってから仕事にかかったと言われます。200年以上昔から幾度となく立て替えられてきたであろうこの祠が、場所も大きさもほとんど変わらず今に伝えられてきているのは、さまざまな恵みを与えてくれる一方で、大きな苦難をもたらすこともある自然に対する深い祈りと畏れの気持ちが、現在まで伝えられている証拠ではないでしょうか?
 背後の欅は、目通り約3m、樹高約25mで、「東美作路名木100選」の資料編に記載されています。
 
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