知社のお滝さま

~あわくら歴史街道~ H14.8
 
知社のお滝さまの写真  知社のお滝さんとして馴染み深い、岩滝神社を紹介します。知社は昔から山麓、谷の口、川端などに沢山の小社があったので、千社から知社の地名が生まれたとも言われています。この神社の創祀年代は定かでありませんが、古くから知社村の玄関口とも言える、字井手の上という所に鎮座されていて、現在は大原神社境外末社となっています。
祭神は瀬織津比売命が祀られています。この神様は女神で、高い山あるいは低い山などから流れ出る水が、急に速い流れと変わり流れ下って速川となる、その瀬に立って村人をお守り下さるという神様で、岩滝神社の境内には大きな岩盤があって、渓流がその岩を流れ落ちる様は、飛沫が砕け糸のようになり、恰も玉すだれのようとの定評があり、この神社に相応しい祭神であります。境内には自然美豊かに古木が生い茂り、鬱蒼とした山肌に本殿があります。この夏は一度参詣されてはいかがでしょうか。
弘化3(1846)年8月、暴風雨のため洪水となり、御社、壇、石垣等を破壊、お神輿も大破という災害に遭い、再建のため近隣諸方、有信の方々へ寄付を募った古記録があります。その当時600人近い寄付が寄せられていることからみても、その神徳の崇高さと、同時に知社村関係者のご苦労の程を窺い知ることができます。祭礼には、眼病に霊験あらたかなりと遠近より多くの参拝者があり、神輿も繰り出されて大変に賑わったそうですが、今は静かに、ありし日を偲ぶかの如く天岡公園内の民芸館に保存(展示)されています。
 
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