~あわくら歴史街道~ H14.11 | |
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谷口地内 橋倉 | |
この二股榎の所在は、コンベンションホールより約100mあわくら温泉駅寄りの、旧赤線道幅5尺1寸(約1.5m)の道端にあります。 今は目立たない存在ですが、結構樹齢は数えていて推定150年位。現在、目通り198㎝(二股になっているすぐ下の所)。道は、塩谷、谷口方面から猪之部へ通じる唯一の幹線道としてその役割を果たしていました。 昭和5~6年頃、この近くに大きな製材所(水車式動力)があって、この製材所へ運搬の車力(大型の荷車)の出入りも頻繁でした。車力を引っ張らせる牛馬のつなぎ場として選ばれたのがこの榎でした。1頭の成牛が狭い道に真横になると、その前も後ろも通れない有様で、恐る恐る牛の尻の方を押してようやく通ったこともしばしば。通学の小学生から大人に至るまで、多くの人達が体験したことであり、明治、大正生まれの人にとっては馴染みと思い出深い木。昭和7年(1932)、村道改良工事が施工され、旧道より離れて少し西寄りに開設されたので、それ以来人馬の往来道としての役目は終息しています。 |
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今は榎の側を行き交う人もなく、唯ひっそりと道行く人や車、そして智頭線を走る列車の警笛を聞きながら、今日も元気に永い年月見つめてきた様々の人間模様を懐かしく思い浮かべていることでしょう。 | |
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