~あわくら歴史街道~ H12.4 | |
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哀れおなかの中地蔵 | |
志戸坂の旧トンネルの入り口近くに「中地蔵」と呼ばれるお地蔵さんがあります。『にしあわくらの民話』の中に、この「中地蔵」の哀しい言い伝えが描かれています…。 昔、因幡の殿様の家老に仕える若桜又治郎という人がいました。 又治郎さんは文武両道に秀で、しかもけっして驕ることのない立派な人だったため、ある時妬んだ同僚に陥れられて閉門させられてしまったそうです。 |
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怒る又治郎さんを妻の「おなか」さんが諫めて、ようやく二人で再出発しようとした矢先、志戸坂峠で自分を陥れた同僚に行き会わせ、重ねて侮辱を受けたために我慢できずに斬りつけてしまい、多勢には勝てずに斬り殺されてしまいました。妻の「おなか」さんもそのとき一緒に殺されてしまい、里の人々はそんな「おなか」さんを哀れんで、「おなか地蔵」を建てて祀ったそうです。 今年もまた、志戸坂公園の桜は美しい花を咲かせてくれるでしょう。花をめでながら、少しだけ哀しく散った「おなか」さんの物語を思い出してもらえればと思います。 |
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